公売と競売の違いとは?回避方法を解説
「競売」に似て非なるものに、「公売(こうばい)」があります。
公売とは、一体どのようなものなのか。競売とは何が違うのか。
今回は、公売についてお話をさせていただきます。
公売ってなに?
「公売」とは、税金の支払いを滞納している人が督促や勧告に応じない場合、債務者(税金滞納者)の所有財産(不動産のほか、宝飾品・美術品・自動車・電化製品なども含む)を債権者が差押え、オークション(入札・競り売り等)によって売却し、その売却代金を滞納している税金に充当して回収する手続きのことをいいます。
滞納している税金が、「固定資産税」などの国税の場合、債権者は国税局や所轄税務署となり、「住民税」や「健康保険料」などの地方税の場合は、役所などの自治体が債権者になります。
競売とは何が違うの?
「競売」も「公売」も、債務者が滞納している債務(滞納金)を回収するために行われる手続きであるという点では同じですが、以下の点について違いがあります。
■ 競売 → 民事執行法
■ 公売 → 国税徴収法
■ 競売 → 銀行、保証会社、金融業を営む民間企業(カード会社等)、一般の個人や法人など
■ 公売 → 国税局、所轄税務署、都道府県や市町村などの自治体
■ 競売 → 債権者の申立てにより、裁判所が実行する
■ 公売 → 国税局や自治体など、差押えをした当事者(債権者)が実行する
■ 競売 → ①裁判所に公告される ②不動産競売物件情報サイト(BIT)に公開される
■ 公売 → ①国税局や自治体が独自に情報を公開する ②国税庁の公売物件サイトに公開される
※「競売」・「公売」共に、申立てされた情報はインターネットなどにより、広く世間に公開されます。
税金滞納者が気をつけなければいけない注意点
税金や健康保険料などの滞納には、注意していただきたい点があります。しっかり確認しておいてください。
① 減免措置がない(支払いは免除されない)
たとえ自己破産したとしても税金の支払い義務は免除されません。全額を納付するまで督促は続きます。
② 延滞税が発生する
毎年決められた方法によって算出された延滞税が課せられます。意外と高額になりますので注意が必要です!
競売や公売を回避するためには
多少の違いはありますが、「競売」も「公売」も債権者が債務者の債務(滞納金)を回収するための手段のひとつであることに変わりはありません。
また、競売や公売による売却価格は、市場相場より低くなることが多いです。引越し費用も捻出できず、強制退去を強いられる場合もあります。
『少しでも借金や滞納金を減らしたい』
『引越しするための費用が欲しい』
『そのまま住み続けたい』
などの希望をお持ちの方は、競売や公売になる前に、任意売却という売却方法を是非ご検討ください!