任意売却 用語解説

あ行 か行 さ行 た行 な行
は行 ま行 や行 ら行 わ行

あ行

一括返済

借りているお金をまとめて返済すること。
支払いが遅れてしまうと、期限の利益の損失となり債権者より一括で支払うよう求められる。

一般媒介

不動産の売買・賃借を不動産業者に依頼するときに結ぶ契約のひとつ。特定の不動産業者に限らず、複数の不動産業者に取引の仲介を依頼することができる。

延滞

金銭の支払いや納入が期日よりも長く延びて滞ること。

オーバーローン

住宅ローン残高が物件の売却価格を上回っている状態。
売却してもローンが残ってしまう状態。

親子間売買

不動産売買を親子間で行うこと。

か行

会社更生法

経営破綻に陥った企業を潰さずに再建を行う手続きを定めた法律。倒産企業の経営者は再建にタッチできず、裁判所の監督のもとで管財人が事業を継続しながら破綻企業の再建を目指す。再建が軌道に乗り、更生手続きが終了すると会社の経営は取締役の手に戻る。

買付証明書

不動産物件の購入希望者が、特定または特定の第三者にあって、その意思があることを表明する文書のこと。法的拘束力はないが、通常はこの書面が契約に向けての第一歩となる。

瑕疵担保責任

売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥・欠点)があった際に、売主が買主に対して負う責任のこと。契約時には分らなかったが、取得後に損害を受けた時には、買主は売主に損害賠償の請求ができる。また、瑕疵のために契約の目的が遂げられなかった時は、契約を解除することも可能。その期間は買主が瑕疵を発見した時から1年以内。宅建業法では業者自ら売主となる場合は、引渡日から2年以上の特約を定めることができる。新築住宅においては10年間。

仮差押

金銭の支払いを目的とする債権を持つ者が、強制執行ができなくなることを防ぐために、債務者の財産を暫定的に抑えておく手続きのこと。仮差押えの対象が不動産の場合は、登記簿に登記され、勝手に処分することは制限される。但し、仮差押えの目的物を売却することは法的には可能。
しかし、その購入者は、後に本執行を受けたときに不動産が競売されて所有権を失うことになる。

仮登記

本登記を申請するために必要な手続き上の条件が備わっていないとき、将来しなければならない本登記の順位をあらかじめ保全する目的で行う予備登記のこと。

管財事件

破産者に不動産や株式、預貯金など多少でも財産が残っている状態で破産手続き(自己破産)すること。

管財人

管財事件となった場合、破産者に代わって財産を管理し、債権者への清算手続きを行う者。
一般的には裁判所が選任した弁護士が管財人となる。

期間入札

裁判所書記官が定めた期間内に入札を受付、後日開札を行って落札者を決定する方法。

期限の利益

決められた期限までは借りたお金を返さなくても良い、代金の支払いを請求されないなど、債務者の利益のこと。

期限の利益の喪失

契約違反等があった場合、期限の利益を失うこと。
定められた期日までに債務の返済を履行できない場合に、期限の利益が喪失し、債務の一括弁済を求められる。

強制競売

債務を返済できなくなった債務者の所有不動産を裁判所が差押えて、競争入札により売却すること。売却代金が債権者への支払に充当される制度。所有権取得時に全ての抵当権と差押えが抹消されるが、現状引き渡しとなるため、占有者の排除が必要な場合や滞納管理費などの支払いを清算する必要が生じる場合もある。

強制執行

債務者が債務の弁済をしない場合、裁判所に申立て、債務者の財産を処分し、強制的に債権を回収する方法。

金銭消費貸借契約

お金を借入れる借主が、貸主から金銭を借入れてその金銭を消費し、その借入額と同額の金銭(利息分も含む)を貸主に返還することを約する契約のこと。
金消契約、住宅ローン契約とも呼ばれる。

競売

複数の買い手に値を付けさせて、最高価格を申し出た者に売却する方法。債権者が裁判所に申立て、債務者の所有不動産を法的に売却する手続き。

競売開始決定通知

競売を始める旨を伝える通知のこと。

競売取下げ

利害関係人の同意のもと、競売手続きを取り下げること。
任意売却が行われれば、競売開始決定後も一定期間内であれば取り下げることができる。

現況調査報告書

「三点セット」のひとつ。裁判所の執行官が土地・建物の形状や写真、その占有状況を調査して作成したもの。調査時点での不動産の状態について記載された書類のこと。

さ行

サービサー(債権回収会社)

法務大臣から許可を受け設立された債権管理回収専門の株式会社のこと。以前は、弁護士法で禁止されていた業務を平成11年に「債権管理回収業に関する特別処置法」が施行されたことにより、民間企業も参入が可能になった。

債権者

ある特定の人(債務者)に対して、金銭の支払いやその他一定の給付を請求できる権利を持つ人のこと。
通常は、銀行や旧住宅金融公庫などの金融機関を指す。

債務者

ある特定の人(債権者)に対して、金銭支払いなど一定の給付をする義務を持つ人のこと。

債務整理

債務者が、支払わなければならない債務の支払いができなくなった場合に、金利減免や債務圧縮などを行い、支払える金額にまで債務を抑えること。債務整理の方法は、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などがある。

差押

国や自治体、裁判所などの公的機関によって、債務者が財産を処分することを禁止する手続き。

差押取り下げ

執行機関が債務者の財産の処分を禁止する行為を取り下げること。

3点セット

裁判所で入手できる競売不動産の資料。
「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」の3種類の資料のこと。

自己破産

破産手続きを債務者自ら申立てること。自分の財産を失う代わりに、すべての借金などの債務が免除される。(生活するのに必要なものは除く)

執行官

地方裁判所に配属された嘱託社員。公務員ではなく、その名の通り職務を執行するのが業務になる。競売に関して言えば、競売の資料作成(三点セット)や強制執行などの業務を行う。

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

昭和25年に制定された住宅建設資金融資を専門に扱う金融機関として、全額政府出資で設立された公的金融機関。

専任媒介契約

依頼者が、依頼した宅建業者以外の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁止した契約のこと。宅建業者は、依頼を受けてから7日以内に指定流通機構(レインズ)に物件登録をしなければならず、2週間に1回以上の報告(業務処理状況)義務を負う。報告は口頭・書面のどちらでもよく、有効期間は3ヶ月で、依頼者側から更新できる。

専属専任媒介契約

依頼者は、媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と売買または交換の契約を締結することができない旨の特約を付した契約のこと。依頼者による自己発見取引も不可。この契約の有効期限は3ヵ月以内、報告義務は1週間に1回以上業務の処理状況について報告すること、契約締結後5日以内に指定流通機構(レインズ)への登録を行う義務がある。

た行

代位弁済

第三者が債務者に代わって債権者に対して債務の弁済を行うこと。不動産の場合は、金融機関に代位弁済した保証会社(サービサーなど)の行為を指す。

滞納

納付する義務がある者が、定められた期間を過ぎても金銭や物品を納めないこと。

担保

債務者が債務を履行しない場合に備えて債権者に提供され、債権の弁済を確保する手段となるもの。物件担保(土地や建物)と人的担保(保証人)がある。

担保割れ不動産

担保に入っている不動産の実勢価格が、不動産の残債務より下落してしまった不動産のこと。残債務以上の担保価値がない不動産のこと。

遅延損害金

定められた日時までに、決められた債務を支払わなかったことにより発生する損害賠償として支払う損害金のこと。

抵当権

担保のこと。債務の担保に供した物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる権利。返済が滞った場合に、債権者は競売などにより債権の回収を行う。

抵当権の実行

債権が弁済されない場合、債権者は、抵当権の優先順位に基づいて担保である不動産を強制的に売却し、その売却代金を自己の債権の弁済に充てること。

抵当権抹消請求

抵当権が設定された不動産の所有権を買い受けた者(第三取得者)が、抵当権者に対して相当の代価の支払いをして、抵当権の抹消を請求すること。

登記簿謄本

一定事項を記載した公の帳簿で、不動産登記簿と商業登記簿がある。不動産登記簿は、土地・建物がそれぞれの登記簿に分かれており、所在地、構造などの物理的現況や物権など(差押え、抵当権など)の権利関係が記載されている。誰でも登記所で、その謄本等の交付や閲覧ができる。

同時廃止(同時破産廃止)

債務者に財産がないことが初めから明らかな場合に、破産手続開始決定と同時に破産手続きを終えてしまうこと。

督促状

期日までに債権者への支払いが行われなかった場合に送られてくる書面のこと。滞っている支払いを促す書面。

特定調停

借金の返済が滞りつつある借主について、裁判所が、借主と貸主その他の利害関係人(保証人など)との話し合いを仲介し、返済条件の軽減等の合意が成立するよう働き掛け、借主が経済的に立ち直れるよう支援する手続のこと。

特別送達

裁判所、公証役場からの民事訴訟法に基づく書類を訴訟関係者に送達し、配達したことを差出人に報告する制度のこと。

特別売却

期間入札により売却を実施しても、適法な買受けの申し出がなかった場合にのみ行う売却方法のこと。特別売却についても、裁判所書記官の売却実施処分に基づいて執行官が行う。

な行

任意競売

担保不動産競売のことで、債権者が判決等の債務名義なしで不動産の競売により、強制的実行(抵当権の実行)を行うこと。現在は、用語としてはあまり使われていない。

任意売却

住宅ローン、借入金など返済が困難になった場合であっても、仲介業者が入り、不動産を競売にかけずに債権者の同意を得て、競売よりも有利な条件で売却すること。
※「任意売買」「任売」と呼ばれることもあるが、意味合いは同じ。

根抵当権

普通の抵当権では、債権が消滅すると抵当権も消滅してしまうため継続的に取引をする場合、その都度抵当権の設定や解除をしなければならず大変面倒である。そのため、継続的取引で債権額が増減する場合には、あらかじめ将来借りるであろう金額までを設定し、一括して担保しておき、借りたり返したりを繰り返せるようにしたもの。
一定範囲内の不特定の債権を限度額としてその範囲内ならば、不特定の債権を担保にして、 繰り返し借りることができる抵当権のこと。

は行

配当要求

競売の申立てを行った債権者以外で、債権を持っている債権者に対し裁判所が申し出を呼びかける制度のこと。

売却基準価格

競売にあたり対象となる不動産を裁判所の評価人が調査して、取引事例や公示価格に基づいた後、権利関係を加味した上で定めた入札時の基準となる価格のこと。(最低売却価格に代わるもの)

破産

債務者が債務を完済することができなくなった場合に、債務者の全財産をすべての債権者に公平に分配できるようにする裁判上の手続き。

破産管財人

破産者の財産を本人に代わり管理、処分、配当する人のこと。裁判所が選任するが、通常は弁護士が選任される。

評価書

「三点セット」のひとつ。執行裁判所が選任した不動産鑑定士が作成する評価算定の評価書類。競売物件の価格評価(売却基準価格)と算出過程について記載されている。

物件明細書

「三点セット」のひとつ。不動産を購入した場合に引き継がなくてはならない権利などについて記載された書類のこと。

保証会社

債務者が、返済滞納や弁済ができないなど期限の利益を喪失した場合、債務者に代わって債務を弁済(代位弁済)する会社。主に金融機関などからの借入の際に用いられ、保証料を支払うことにより保証人となる会社のこと。

保証料

保証会社の保証を得るために支払う料金のこと。

ま行

みなし弁済

利息制限法で定められた金利(15~20%)を超えて29.2%までは合法とする例外規定のこと。2010年以降、みなし弁済は廃止。

民事再生法

経営悪化した企業を倒産させずに再生させるための法律。会社更生法に比べ手続きが簡略で、経営破綻する前でも申請が可能

民事執行手続

債権者の申立てによって、債務者の財産を差押えて現金に換え、債権者に分配するなどして、債権者に債権を回収させる手続きのこと。

無余剰

不動産に資産価値の金額以上の抵当権が設定されており、それ以上、抵当権をつけても意味がない状態のこと。

無担保債権

担保がない債権のこと。競売や任意売却後の残債は、無担保債権となる。

免責

責任を問われることを免じること。

や行

有担保債権

担保がある債権のことで、抵当権を設定されている不動産等のことを指す。

予告登記

仮登記などと同じく、予備登記と呼ばれる特殊な登記のひとつ。登記された該当不動産の所有権をめぐって、現在裁判による係争中であることを知らせるもので、裁判所書記官の職権によってなされる登記のこと。現在は廃止されている。

ら行

利害関係人

特定の事実について法律上の利害をもつ者をいう。

利息制限法

貸金業者の金利水準の上限を定めた民法。利息制限法では、賃金業者の貸付金利の上限を、100万円以上は年15%、10万円以上100万円未満は年18%、10万円未満は年20%として定めている。

レインズ(REINS)

国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する「コンピューターシステムネットワーク」のこと。日本全国の不動産取引情報を検索、閲覧することができる。

連帯債務者

主たる債務者と共に債務を負担する者。複数の債務者が、同一内容の給付について各自独立に債権者に対して全部の給付をする義務を負い、その中の一人が弁済すれば他の債務者も債務を免れる。

連帯保証人

主たる債務者と連帯して債務を負担する者。通常の保証とは異なり、催告の抗弁権がなく、債権者からの請求があれば連帯保証人は直ちに弁済の責任を負うことになる。債務者が返済できない場合に、代わって支払いの義務を請け負う。

わ行

和解調停

裁判上の和解がなされた場合に、和解内容を記載した調書のこと。