自己破産のメリット・デメリットとは?個人破産の前に検討しよう

自己破産を選択せざるを得ない理由は、失業、健康問題、ギャンブルなど人さまざまです。昨今の新型コロナウイルス拡散により、減給や失業により債務の返済に困っている人は少なくありません。

自己破産のデメリットばかりが気になり、なかなか踏み出せない人もいるでしょう。しかし、自己破産にはメリットもあります。安易にイメージだけで判断せず、自己破産について正しく理解すれば、選択の幅も広がります。

今回は、自己破産のメリット、デメリットについて紹介します。

目次

自己破産とは?

自己破産という言葉はよく耳にするものの、具体的にはどのような内容なのでしょうか。しっかり理解してから、手続きを踏むべきかどうか判断しましょう。

債務整理の種類

債務整理には、「自己破産」の他に「任意整理」「個人再生」などがあります。

任意整理とは、債務の利息を減額してもらうことをいいます。裁判所を通さずに、弁護士や司法書士が債権者と交渉するのです。しかし、任意整理には法的な強制力はありません。

一方、個人再生とは、裁判所に申立てて利息と元金を一部減額してらもう手続きのことをいいます。

そして自己破産とは、個人再生と同じく裁判所に申立て、財産を失う代わりに債務がすべて免除されることをいいます。個人再生と自己破産は、法的な強制力を持ちます。

自己破産の流れ~個人破産手続き~

個人破産手続きの依頼を、弁護士や司法書士に依頼してから実際に完了するまでは、おおよそ半年から1年かかります。

自己破産の種類

自己破産には、「同時廃止」「管財事件」「少額管財事件」があります。

同時廃止価値のある財産がなく、免責を許可できない理由がない場合。
破産手続き開始の決定と同時に廃止が決定されること。
管財事件価値のある財産がある、免責を許可できるか疑わしい場合。
破産管財人が選任される。
少額管財事件裁判所への支払い額を大幅に減額。

個人破産手続き

個人破産手続きのおおまかな流れは、次の通りです。

STEP
弁護士か司法書士に依頼、書類の準備

揃えるべき書類は多いものの、弁護士や司法書士が丁寧に指示。

STEP
受任通知の送付

弁護士か司法書士から債権者に送付。債権者による取り立てが中断。

STEP
破産手続き・免責手続きの申立て

管轄裁判所に提出。

STEP
破産審尋

裁判官との面談。債務返済が難しい事情を説明。

STEP
破産手続き開始の決定

破産管財人が選任。

STEP
免責審尋

裁判官との面談。免責してもよいか確認。

STEP
免責許可の決定

免責許可書の送付。

STEP
官報に掲載

氏名、住所、主文などが載る。
(官報とは、政府情報である法令などを載せている政府の公式媒体のこと)

自己破産のデメリットとは?

自己破産をすると、抱えていた債務が帳消しになる一方で、様々なデメリットがあります。

財産が処分される

自己破産手続きを踏むと、生活に必要最低限の財産以外は全て没収されてしまいます。20万円以上の価値のある財産(車や不動産など)や99万円以上の現金などが対象です。

ブラックリストに掲載

自己破産手続きが完了すると、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまいます。
ブラックリストとは、自己破産したという金融事故の情報が、個人信用情報機関に登録されることをいいます。自己破産したことが登録されてしまうと、5~10年はクレジットカードを作成したり、新規ローンを組んだりできなくなります。

また、上記でも説明したように、破産手続きが完了すると官報に個人情報が載ることもデメリットといえます。

職場に連絡がいくの?仕事は続けられる?

破産手続きが開始されると、下記に挙げる職業に就くことができなくなります。但し、破産手続きが完了して免責許可の決定が出されると、破産者ではなくなるため職業制限はなくなります。このように喪失した資格が回復することを復権といいます。

【制限のかかる職業】

  • 一部の士業(弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、行政書士、宅地建物取引士など)
  • 生命保険外交員
  • 警備員
  • 質屋、古物商 など

職業制限対象外の仕事をしている場合は、そのまま勤めていても問題はありません。また、破産手続きを踏んだことが、職場に別途通知されることもありません。しかし、職場に債務があった場合は、債権者(職場)に通知されるため知られてしまうので注意してください。

家族に内緒にできるの?

自己破産をすると、換価価値のある物は差押えられてしまいます。つまり、住宅や車などの高価なものは換価されるため、家族に破産事実を伝えざるを得ないでしょう。但し、対象財産は破産者名義のものに限られます。

また、破産手続き中に居住地を変更する場合は、裁判所の許可が必要(破産手続きが完了すれば許可はいらない)です。上記で説明した、管財事件や少額管財事件に該当すると、郵便物はすべて管財人がチェックしてから転送される仕組みです。そのため、家族に内緒にしておくことは難しいといえます。

費用はどのくらいかかるの?

自己破産をするには、裁判所に予納金や申立手数料等として約3~50万円を支払う必要があります。自己破産手続きを弁護士や司法書士に依頼すれば、約30~60万円が別途かかります。ひとりで手続きを行うことも不可能ではありませんが、手続きが煩雑であるため、なるべく専門家に依頼することをお勧めします。

自己破産のメリットとは?~個人破産の悪いイメージを捨てよう~

個人破産といえば、良くないイメージが先行しがちですが、メリットももちろんあります。

返済義務が免除される

抱えていた債務の返済義務が全て免除されることは、大きなメリットといえます。

督促されない

上表でも説明しましたが、弁護士か司法書士が債権者に対して受任通知を送付すれば、債権者から債務者への取り立ては中断されます。これまで、催促の連絡により受けていた精神的ストレスから解放されることも大きなメリットといえるでしょう。

決められた範囲の財産は残せる

生活に必要な寝具や家具、99万円以下の現金などは没収されることはありません。また、個人破産後に免責許可が出されてから取得した収入や財産が処分されることもありません。

【まとめ】マイホームを任意売却する方法~個人破産の前に検討しよう~

任意売却とは、住宅ローンが残った不動産を、ほぼ相場価格で売却して返済に充てることです。競売に出された不動産は、相場より低い価格でやり取りされるため、債務額を減らすには適していません。

そのため、マイホームを任意売却するには、自己破産をする前のタイミングがお勧めです。自己破産してしまうと、マイホームを自由に売却することが難しくなるためです。

最初に任意売却によって少しでも債務額を減らし、その後、債権者と話し合いを行って返済可能額を決め、少額ずつ返済していけば、自己破産せずに済む場合があります。債権者との話し合いで少額ずつ返済していくことにしたものの、それでも債務が超過するようであれば、自己破産を選択するという方法に切り替えるとよいでしょう。

自己破産は急ぐ必要はなく、あらゆる手段を尽くしたうえで選択してからでも遅くはありません。自己破産をしようかお悩みであれば、まずは専門家にご相談ください。

借金トラブルを解決する情報は、こちらの記事でも詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:債務整理に関する記事一覧|法律相談ナビ

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