任意売却後の住宅ローン残債の行方

ご相談の中で、任意売却後に残ってしまったローンはどうなるの?という質問をよくいただきます。

答えは2つ。

① 残ったローンは帳消しにはならない
② 債権者(金融機関等)によって処理の仕方が異なる

今回は、任意売却後の住宅ローン残債の行方について説明いたします。

目次

住宅ローンを滞納すると

住宅ローンを滞納すると、ローンを借りた金融機関から督促状などによって数回連絡がきます。

それでも滞納が続くと、「期限の利益の喪失」に関する通知が届き、住宅ローンを分割返済できる権利を失います。
つまり、残金を一括で返済しなければならなくなります。

ここで一括返済ができないと、次に「代位弁済」に関する通知が届きます。
代位弁済に関する通知には、保証会社が債務者の代わりに一括弁済を行う、または行った旨の内容が記載されています。

保証会社
住宅ローンを組む際に保証料を支払っていると思いますが、これは、保証料を支払うことで保証会社が保証人の代わりとなり、債務者が返済できなくなった場合に一括弁済するというものです。

代位弁済が行われると

債務者は、保証会社が代わりに弁済した分を、今後は保証会社や債権回収の委託を受けた債権回収会社(サービサー)に返済していくことになります。返済窓口が住宅ローンを借りた金融機関から保証会社に移ります。

返済には自宅など担保となっている不動産を競売にかけ、競売での売却代金を充当しますが、実際には売却価格より返済総額の方が多いことが一般的であるため、自宅を売却してもすべての借金を返済することはできません。

借金が全額返済できないと

自宅を売却しても尚、残ってしまった借金を債務者がすぐに返済できるはずはありません。
それは債権者もよく理解していますので、話し合いを行い、債務者は払える金額を少しずつ返済していくことになります。

返済が困難になったことで自宅を売却するに至ったので、今までのように高額な返済を続けていくことはなく、生活状況や収入状況に応じて返済額を決めていきます。返済額は、毎月1万円ずつ、2万円ずつといったあたりが一般的ですが、状況によってはさらに相談できる場合もあります。

残ったローンは帳消しにならないので、月々1~2万円からでも、無理のない範囲で返済していきます。

それでも支払っていくことができない場合は

月々1~2万円の支払も難しい、続けていけないといった場合は、支払いをストップします。
もちろん、支払いができるのにも関わらず払わないというのはいけません。

しかし、お金を返すことに囚われすぎて、ご自身の体調や生活を犠牲にしてでも払い続けなければと考えるのは止めてください。
なぜなら、債権者も任意売却で自宅を手放してまで返済しようとした債務者をそこまで追い詰めるようなことは考えません。また、追い詰めてよいものでもありません。

あくまでも最終手段として、返済を続けることができない場合は、勇気をもって返済をストップすることも重要です。

但し、いきなりストップしたり、債権者との連絡を絶つようなことをしてはいけません。
支払えないのであれば、その旨を債権者にきちんと伝えて誠意をもって対応していくことが和解へと繋がります。

任意売却後に残った借金は

任意売却後に残った借金(残債務)は、担保となる不動産が無くなるため、無担保債権という扱いになります。

また、返済についても月々1万円や2万円では、仮に残債務が1,200万円あったとしたら、完済するまでに100年以上かかります。とても現実的な数字ではありません。

このような無担保債権で、且つ、回収が見込めない債権のことを不良債権といいます。

一般的に債権者(金融機関や保証会社など)はタイミングをみて、このような不良債権を債権回収会社(サービサー)に売却(債権譲渡)します。

その売却価格は、債権額の2~5%前後と言われています。1,200万円の不良債権であれば、40万円前後となる計算です。
全ての場合に当てはまる訳ではありませんが、回収見込みのない不良債権はとても安価で譲渡されていくようです。

不良債権の終着点

債権回収会社(サービサー)としても、少しでも多く回収したいと考えているはずです。

しかし一方では、いつ完済となるか分からない回収をいつまでも続けていられない、待てないという事情もあります。

そのため、債務者が返済をストップすると、その人の生活状況や収入状況などを考慮した上で話し合いを行い、現実的に返済可能な金額で和解(債務者が一括返済できる金額で折り合いをつけるなど)するほうが良いと判断する場合もあります。

その際の和解金額は、債務者それぞれの状況により異なりますが、いずれにしても少額での和解解決に落ち着くことになります。

住宅ローンが払えなくなったら

住宅ローンが払えなくなったときに何をするべきか。
まずは、支払いの負担を軽減するための方法と、生活を安定させるための対策を検討することです。

負担となっている債務を減らすために任意売却は有効な手段となりますので、住宅ローンの返済にお悩みのときは一度、任意売却を専門に扱う不動産会社に相談してみることをお勧めします。

任意売却には、様々な解決方法があります。ご自身の希望に沿って問題を解決することができるかもしれません。

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