プロ直伝!任意売却で住宅ローンの不安を早期に解消する
住宅ローンを滞納したらどうなるのでしょうか?
一般的に住宅ローンは、その返済にとても長い期間を要します。借りたときは返済できる前提でローン契約を締結しますが、完済に至るまでの長い期間の間には何が起こるか分かりません。生活状況が一変してしまうという場合もあるでしょう。
住宅ローンの滞納は、今や誰にでも起こり得る問題です。
そこで本記事では、そのような状況によって窮地に陥ってしまうことのないように「任意売却という対策があること」「任意売却での対策とは一体どのようなものなのか」ということについて、インタビュー対話形式でご紹介したいと思います。任意売却を専門に扱うプロ直伝の【任意売却講座】です!
株式会社いちとり
代表取締役/代表相談員
林 達治
東証一部上場不動産会社、外資系金融機関、任意売却専門会社を経て、日本全国の不動産を対象とした任意売却を専門に扱う「株式会社いちとり」を設立。
勇気を出して相談してくださったご相談者様に最後まで寄り添ってサポートすることを信条に、現在も会社代表を務めながら代表相談員として、住宅ローンの悩みを抱える方々の問題解決のために精力的に活動している。
長年培ってきた任意売却に関する豊富な知識と経験を活かして、個人・法人問わず、年間500件以上の相談を受けており信頼も篤い。
ごあいさつ
インタビュアー
服部いち子
みなさん、はじめまして。
インタビュアーの、服部(はっとり)いち子です。
私事になりますが、昨年、ついに念願のマンションを購入しました。もちろん、35年の住宅ローンで、ですが。。。
嬉しい気持ちがある反面、ふとしたときに「もしもこの先、ローンが払えなくなったらどうしよう」って、不安になってしまうことがあります。住宅ローンを契約された方は、みなさん少なからずこのような気持ちになったことがあるのではないでしょうか。
そこで、備えあれば憂いなし!・・ということで、今回は住宅ローン問題の専門家として、不動産コンサルタントをされております「株式会社いちとり」の林社長に、この機会をお借りして住宅ローン問題への対策について色々教えていただきたいと思います。
林社長、どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社いちとり
代表取締役/代表相談員
林 達治
いち子
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
それでは早速ですが、林社長。
35年ローンで不安な気持ちになっている私にもわかるように、住宅ローン問題について色々と教えてください!
住宅ローンを滞納したら起きること
いち子
林社長、まずお聞きしたいのが、住宅ローンって返済ができなくなると一体どうなるんですか?
住宅ローンといっても実のところは「借金」なわけですから、やはりTVドラマなどでよくありがちな、怖い人たちが自宅に取り立てにやって来たりするんでしょうか?
その点は心配しないでください。
怖い人たちが取り立てに来るというようなことは、基本的にはないですから(笑)
住宅ローンを滞納したら、まずは金融機関から督促状が届きます。それを何回か無視していると、次に「分割払いができる権利」が失われてしまうんですね。残りの残金を一括で返済するようにという通達がきます。
しかし、分割で返せないものを一括で返せるわけがないですよね。なので、大体このあたりの時期がターニングポイントとなります。
このターニングポイントを迎えると、住宅ローン契約の際に各金融機関が指定している「保証会社」が残金(以降、残債務といいます)を立て替えて金融機関に一括で支払います。これを「代位弁済(だいいべんさい)」といいます。
林
いち子
代位弁済(だいいべんさい)ですか。
保証会社が住宅ローンの残債務を代わりに支払ってくれるということですね。これはもしや、我々にとってラッキーといえる話ではないでしょうか!?
いえ、そうではないんですよ。
代位弁済では、単に返済する相手(以降、債権者といいます)が変わるだけで、借金(以降、債務といいます)自体がなくなるというわけではないんです。そして、次のステップとして、代位弁済をした保証会社は「競売(けいばい)」の申立てをしてきます。
返済してもらえないなら、住宅ローンの担保となっている住宅を強制的にオークションにかけて売ってしまおう!ということです。貸したお金を回収する手段として、債権者が競売手続きを利用するんです。
林
いち子
競売(けいばい)ですか? 競売(きょうばい)ではないんですか?
「けいばい」も「きょうばい」も意味は同じです。
ただ、不動産業界では競売のことを「けいばい」と呼ぶことが多いですね。もちろん、「きょうばい」と言っても大丈夫ですよ。
林
いち子
そうなんですね。
この「競売」というものになってしまうと、せっかく購入した我が家がオークション形式で売られてしまうってことですか?
そういうことになるでしょうか。
しかし、一般のオークションと違って、不動産の競売は準備開始から落札されるまでに、おおよそ半年から長いときは1年以上かかるケースもあるので、競売を申立てられたからといって、直ぐに自宅がどうこうなるということではありません。
但し、この競売申立てがなされると、オークション(入札)に向けてのカウントダウンが始まることになります。
林
いち子
そうなんですか。。
愛着のある自宅が強制的に売られてしまうというのは辛いですよね。
けれど、競売のオークションで売却され、残債務の返済も免除されるというのであれば、致し方ないかなと思ったりもしますが。
ところが競売による売却は、あくまで貸したお金の全額回収を目標として、債権者が行う手段のひとつにすぎませんので、住宅を売却したら残債務もチャラにできるというわけではないんです。
むしろ競売では、本来の市場相場より安く売られてしまうケースが多いので、残債務もそれに比例して多くなってしまうことになります。
「競売になるのをただ待つ」という選択は、結局、後々の返済額も多くなるので、非常に損をしてしまう対処方法と言えるでしょう。
林
いち子
なるほど、そうなんですか。
では、住宅ローン返済に困ったときは、どのように対処するのが賢い方法なのでしょうか?
いよいよ住宅ローンが払えないとなったとき、どのような対処方法がある?
もうこの先、住宅ローンが払えないかも・・・
という状況になったときに、打つべき対策は基本的には次の2つです。
【1】住宅ローンを借りた金融機関に相談して、無理なく支払えるプランに組み直す。
【2】それでも支払うことが難しければ、住宅を「任意売却」する。
林
いち子
一つ目の対策はわかりました。
しかし、二つ目の対策に聞きなれない言葉が出てきたのですが、「任意売却」とは何でしょうか?
そうですね。あまり聞きなれない言葉かと思います。
「任意売却」とは、対象不動産の売却価格が住宅ローンの残債務を下回る場合(不動産を売却しても住宅ローンが完済できない場合)でも、不動産仲介業者を介した債権者との話し合いによって、債権者の合意を得ることで売却を可能にするという不動産取引のことです。
林
いち子
うーん、分かるような、分からないような(汗)
そもそも「任意」って自分自身の意思に基づいて・・という意味のような気がしていて、基本的にどのような売却であっても、それをするかしないかは「任意」なのではないですか?
言われると確かにそう感じますよね。
しかしこの場合、自分自身の意思に関わらず、強制的に執行される「競売(強制売却)」の対義語としての「任意売却」という意味で捉えてください。
林
いち子
強制的な売却ではない方法による売却なので、「任意売却」ということなんですね。
それでは、任意売却で売却するのと、普通に売却するのとでは一体何が違うのでしょうか?
分かりやすく簡単に違いをまとめるとしたら、以下のような感じになります。
通常売却 | 任意売却 | |
実施のタイミング | 売主が売りたいとき | 住宅ローン滞納時などの特殊条件下 |
住宅ローンの残債務 | 売却額(+自己資金)で住宅ローンを完済できることが前提 | 売却額が住宅ローン残額を下回っても売却が可能(但し、債権者の同意が必要) |
売却価格を 決める人 |
売主 | 債権者 |
不動産会社への 仲介手数料 |
別途、支払いが発生する | 売却代金の中から配分される |
林
いち子
なるほど。比較してみると分かりやすいですね。
それから先ほど、「ただ競売を待つだけというのは損をする」というお話がありましたが、任意売却の場合は競売を待つよりもお得なんでしょうか?
そうですね。
基本的には、ほぼ間違いなく、競売より任意売却のほうが高い金額(市場相場に近い金額)で売却することができます。高く売却できれば、それだけ残債務を減らすことができますので、後々の返済面を考えても競売よりお得になることは間違いないです。
林
いち子
なんと!
であれば、「任意売却」を検討しない手はないですね。何もせず、競売にさせてしまったら勿体ないですものね。
そう思います。但し、任意売却でも留意点があります。
任意売却では、債権者が全てにおいて決定権を持つことになります。買い手が決まりそうな場合でも、債権者が納得してOKする金額でなければ、取引きを成立させることはできません。
林
いち子
あれあれ。。何だか急に厳しい感じになってきましたね。
そこで、任意売却の場合は、相談先の選定がとても重要になるんです。
つまり、さじ加減が難しい債権者や関係各所との調整作業を丸ごと一任できる、「任意売却案件に精通した経験豊富な不動産業者に相談する」ということです。
林
いち子
なるほど。
経験を重視するということであれば、不動産の扱い量が多い大手不動産会社に相談するのがベストということでしょうか?
いえ、必ずしもそうとは限らないんですよ。
正直な話をしますと、任意売却の案件は債権者が複数いるなどのケースも多く、非常に手間と時間がかかるため、大手不動産会社では積極的に対応するところが少ないんです。大手不動産会社では、通常の不動産売買案件も数多く取り扱っていますので、費用対効果を考えて一般案件のほうに注力したいとなるようですね。
林
いち子
そうなんですか!?
企業規模の大小ではなく、「任意売却に積極的に対応している会社かどうか」をまず見極めてから相談するということが重要というわけですね。
住宅ローンが払えないときのNG行動とは?
いち子
それでは、最後にこちらも聞いておきたいのですが。
住宅ローンが払えないかもしれないとなったときに、絶対に避けるべきNG行動などがあったら教えてください。
わかりました。
あくまで個人的な見解での回答となりますが、住宅ローンが払えないといった状況になったとき、次のような行動は絶対にしないで欲しいと思います。
林
①その場しのぎで他から借入れをしない
住宅ローンは、一般的に金利の低い部類のローンとなります。
その支払いのために、金利の高い業者から借金してまで賄おうとするのは愚の骨頂です。また、親類や知人に無心するケースもよく見受けられますが、人間関係を壊しかねない頼みごとを果たして何十年といった長期に渡って続けられるでしょうか?
返済に困り、とりあえず何とかこの場を乗り切ろうとしてこのような行動をとりがちですが「本当にその選択でよいのか?」ということを、借入れをする前に一度立ち止まって考えてみて欲しいと思います。
②近寄ってきた人には頼らない
住宅ローンを滞納して競売の申立てを受けると、その情報は管轄の裁判所に公告されます。
そして、このような情報を見つけた不動産業者が連絡をしてきたり、自宅に直接訪問までしてきたりするケースもあります。勿論、すべてが悪い人や悪徳業者というわけではありませんが、突然連絡してきたり、自宅までやって来るような赤の他人をその場で直ぐに頼るのはやめてください。まずは、信用できる人や会社なのかどうかを自分自身で調べて、慎重に判断してから行動しましょう。
③裁判所の執行官を味方と思わない
競売を申立てられると、暫くして裁判所から「執行官」と呼ばれる人が、物件調査のために自宅に訪問してきます。
執行官は、もちろん悪意のある人達ではありません。しかし、競売を滞りなく実行させることが彼らの仕事です。既に述べたように、競売は売却金額の面でいうと損が大きくなる売却方法ですから、少しでも高く売って債務を減らしたいという希望がある場合には、執行官の話を鵜呑みにせず、また親切丁寧な対応などにも心を動かされすぎないように気をつけてください。
いち子
かなり、生々しい話ですね。
しかし、今後のためにも、しっかり心に留めておくようにします!
是非、そうしてください。
それと、最後にひとつ。いちばん大切なことをお伝えしますね。それは、
問題を解決することを、決して諦めてはいけない!
ということです。諦めてしまったらそこで終わり。その先に、新しい道は開けないからです。
林
いち子
!!!!!
本当に、そのとおりですね。
住宅ローンの問題だけに限らず、どのような問題でも諦めた時点で終わってしまいますから。諦めずに解決方法を模索し続けるということは、問題解決に向けて一番必要な心得かもしれません。
そうです。
住宅ローンが払えなくても命まで取られるわけではありません。
病気や怪我など様々な事情で一度はローンを払えなくなっても、破産せず上手に再スタートを始めている人たちを、私もたくさん知っています。
まずは肩の力を抜いて考えてみることが大切だと思います。
林
いち子
よくわかりました。
住宅ローンの問題も、あまり過度に不安になりすぎることはない、ということですね。
最後はとても温かいお言葉で締めていただき、私自身も抱えていた不安が和らぎました。
林社長。
今回は、住宅ローン問題について色々と教えていただきまして、ありがとうございました。
こちらこそ、最後まで話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
当社は、任意売却を専門に扱っている不動産会社ですので、住宅ローン滞納や競売を申立てられたといった問題を抱えていらっしゃる方は、いつでもご相談ください。一緒に問題を解決していきましょう!
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株式会社いちとり
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林