【住宅ローン滞納Q&A】任意売却の専門家がやさしく解説!よくある疑問と対処法

住宅ローンの支払いが厳しい…
そのような状況に直面したとき、誰に相談すればよいのか、どのような選択肢があるのか――不安や疑問は尽きません。

「ブラックリストに載っちゃう?」
「どれくらい滞納したらヤバイ?」
「家族や勤務先にバレる?」

このコラムでは、住宅ローンを滞納したときに多くの方が気になるこうしたリアルな疑問に、任意売却の専門家がQ&A形式で丁寧に答えます。今まさに住宅ローンで悩んでいる方も、将来が不安な方も、ぜひ最後までお読みください。
住宅ローンに関する問題を乗り越えるためには、まず自分に合った知識を身につけることが大切です。このコラムが、あなたの不安を少しでも和らげ、前向きな一歩を踏み出す手助けになれば嬉しいです。

【執筆】

株式会社いちとり
代表取締役/代表相談員

林 達治

東証一部上場不動産会社、外資系金融機関、任意売却専門会社を経て、日本全国の不動産を対象とした任意売却を専門に扱う株式会社いちとりを東京都新宿区に設立。

勇気を出して相談してくださったご相談者様に最後まで寄り添ってサポートすることを信条に、現在も会社代表を務めながら代表相談員として、住宅ローンの悩みを抱える方々の問題解決のために精力的に活動している。

長年培ってきた任意売却に関する豊富な知識と経験を活かして、個人・法人問わず、年間500件以上の相談を受けており信頼も篤い。

目次

住宅ローンを滞納するとどうなる?

住宅ローンの支払いが遅れた場合、実際にはどのタイミングから「延滞」として扱われるのでしょうか?その基準と影響について解説します。

何日滞納すると「延滞扱い」になる?

一般的に、支払い期日を1日でも過ぎると「延滞」となりますが、すぐに信用情報に傷がつくわけではありません。
ただし、金融機関によっては数日の遅れでも督促の連絡が入る場合があります。

支払いが遅れたらすぐにブラックリストに載る?

一般的に延滞が61日~3ヶ月以上続くと、信用情報機関に「事故情報(いわゆるブラックリスト)」として登録される可能性が出てきます。
短期間の遅れならすぐに影響するわけではありませんが、注意が必要です。

何ヶ月滞納すると競売のリスクが出てくる?

通常は3~6ヶ月の滞納で「一括請求通知」が届き(代位弁済)、その後競売手続きへと進みます。
ただし、これはケースバイケースなので、それぞれの状況によって異なります。自身の希望に沿って解決を図りたい場合には、滞納初期段階で相談するのが最も効果的です。

通知・督促はどんなふうに届くの?家族にバレる?

金融機関や債権回収会社からの連絡は、郵送での通知や電話連絡が一般的です。
内容は封書で届くため、家族に中身を見られれば知られてしまう可能性があります。

ブラックリストに載ってしまった場合の影響は?

「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に金融事故(延滞・債務整理など)の情報が登録される状態を指します。
正式には「事故情報」と呼ばれ、ローンやクレジットカードなどの審査に大きな影響を与えます。

どんなときにブラックリストに載るの?

以下のようなケースでは、信用情報に事故情報が登録されます。

  • 住宅ローンの返済を61日以上あるいは3ヶ月以上延滞した場合
  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を行った場合
  • 強制解約(長期延滞などで契約解除)された場合  など

ブラックリストに載るとどうなるの?

主な影響は以下のとおりです。

  • クレジットカードの新規発行・更新ができない
  • 住宅ローンや自動車ローンの審査に通りづらくなる
  • スマートフォンの分割払いが利用できなくなる可能性がある
  • 賃貸住宅の契約時に保証会社の審査で不利になる場合がある

どのくらいの期間、信用情報に残るの?

事故情報の登録期間は種類によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。

事故の種類 登録機関(目安)
延滞 解消から5年間
任意整理・個人再生 手続き完了から5年間
自己破産 手続き完了から5~10年間
※信用情報機関(CIC、JICC、KSC)など、各機関ごとに若干異なります。
信用情報機関とは?

日本には、主に以下の3つの信用情報機関があります。それぞれの機関に、金融機関や貸金業者が加盟しており、登録される情報や加盟先の業種に少しずつ違いがあります。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー)▶HPはこちら
    主にクレジットカード会社や信販会社が加盟。カード利用や分割払いの情報が登録されます。
  • JICC(日本信用情報機構)▶HPはこちら
    消費者金融やリース会社、携帯電話会社などが加盟。ローンやキャッシングの情報が多く登録されています。
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)▶HPはこちら
    全国の銀行や信用金庫などが加盟。住宅ローンやカードローンなど、銀行系の情報が中心です。

※これらに登録されている情報は、それぞれの機関に「本人開示請求」することで確認することができます。

任意売却だけでブラックリストに載るの?

任意売却そのものではブラックリストには載りません。
ただし、住宅ローンの延滞が続いている状態で任意売却をする場合、その延滞記録が原因で事故情報として登録されることがあります。

どうすれば信用情報を回復できるの?

信用情報は、時間の経過とともに自然に回復するのが基本です。
情報が抹消された後は、再びローンやカードの利用が可能になります。
また、状況を確認したい場合は、各信用情報機関から「信用情報の開示請求」が可能です。(但し、本人確認書類が必要)

滞納問題を解決する手段のひとつ「任意売却」とは?

住宅ローン滞納の解決策として注目される「任意売却」ですが、実際にはどのように進められるのでしょうか?
「任意売却」という言葉は聞いたことがあっても、仕組みまではよくわからないという方も多いはず。
この章では、任意売却の基本的な流れと特徴について、わかりやすく解説します。

任意売却とはどのような仕組み?

任意売却とは、住宅ローンが返済できなくなったときに、金融機関の同意を得て自宅を市場で売却し、返済にあてる方法です。
競売のように強制的に処分されるのではなく、自分の意思で進められるのが特徴です。

競売との違いは?どっちが得?

任意売却のほうが市場価格に近い金額で売却できるため、残債が少なくなる傾向があります。
また、周囲に知られにくい、引っ越し時期をある程度調整できるなど、生活への影響も競売に比べて小さくできるのも特徴です。

任意売却のメリットとデメリットは?

以下に、任意売却のメリットとデメリットを簡単にまとめました。

【任意売却のメリット】

  • 売却価格が競売より高くなる可能性が高い
  • 周囲に知られにくい
  • 交渉によって引っ越し費用を確保できる場合もある
  • 状況によってそのまま住み続けられる可能性もある

【任意売却のデメリット】

  • 債権者の同意が必要
  • 時間が限られている(競売の入札前に手続きを終わらせる必要がある)

どのような人が任意売却を選ぶべき?

以下のような人は、任意売却を選択するのに適しています。

  • 競売を避けたい人
  • 生活再建を考えている人
  • 周囲に知られずに売却したい人
  • 債務整理をせずに前向きな解決を目指したい人

任意売却を検討するタイミングと流れ

任意売却は、タイミングを誤ると選択肢が狭まってしまうこともあります。では、実際にどの程度滞納が進んだら任意売却を検討できるのでしょうか?

どのくらい滞納したら任意売却できる?

一般的には、数ヶ月滞納して「一括請求通知」が届く前、あるいは通知が届いた直後が最もベストなタイミングです。他にも、これから住宅ローンの支払いが厳しくなると感じた時点で、早めに任意売却の相談を始めることもお勧めします。
いずれにしても、競売手続きが始まる前に行動を起こすことで、解決に向けた選択肢が大きく広がります。

任意売却までの一般的な流れは?

任意売却は、基本的に次のような流れに沿って手続きが進みます。

  1. 任意売却専門の不動産会社に相談
  2. 金融機関と交渉(売却許可の取得)
  3. 販売活動スタート
  4. 買主が見つかり次第、契約・引渡し
  5. 売却代金でローンを清算し、残債の返済交渉へ

金融機関に相談する前にやるべきことは?

金融機関への相談を検討している場合には、以下のような準備をしておくと安心できます。

  • 家計の見直しと収支確認
  • 信頼できる専門家に相談
  • 今後の住まい計画の確認(引っ越し先など)

よくある質問-Q&A-

これまで当社にご相談いただいたお客様からよく寄せられた質問をまとめました。

Q1:住宅ローンを1ヶ月滞納しただけでも記録に残りますか?

A:多くの場合、1ヶ月程度では信用情報に影響しませんが、繰り返すとリスクが高まります。

Q2:家族や勤務先にローン滞納がバレることはありますか?

A:勤務先に直接連絡が行くことはありませんが、郵便物や電話連絡には注意が必要です。

Q3:任意売却って「自己破産」とは違うんですか?

A:違います。任意売却は「家を売って返済する方法」で、自己破産とは別の選択肢となります。

Q4:任意売却したら残ったローンはどうなりますか?

A:売却後に残ったローンは「残債」として支払っていく必要がありますが、分割返済が認められることが多いです。

Q5:近所にバレないように任意売却することは可能ですか?

A:可能です。競売のように公告されることがないため、プライバシーを守りやすいのが特徴です。

Q6:任意売却を断られるケースはありますか?

A:あります。主に債権者の同意が得られない場合や、十分な販売期間が確保できないときなどです。

Q7:滞納が続いていても今から任意売却は間に合いますか?

A:間に合う可能性はあります。特に競売開始決定前であれば、すぐに専門家に相談をしてください。競売開始決定された後でも、早急に対処すれば間に合うケースもあります。

Q8:引っ越し代は出してもらえますか?

A:債権者との交渉次第ですが、引っ越し費用を売却代金から一部確保できるケースもあります。

Q9:任意売却にかかる費用はどれくらいですか?

A:差押抹消費用や仲介手数料などは売却代金から支払われるため、任意売却では基本的に自己負担はありません。

Q10:任意売却後の生活はどうなるの?賃貸住宅にすぐ住めますか?

A:多くの方が賃貸住宅へ転居されています。新生活をスムーズに始めるためにも、早めに住居を探しておくことが重要です。任意売却を専門に扱う不動産会社であれば、新居探しもサポートしてもらえるというメリットがあります。

まとめ|住宅ローンの滞納で後悔しないために、今できること

住宅ローンの滞納は、誰にでも起こり得る身近な問題です。
支払いが遅れたらどうなってしまうのか…という不安は大きなストレスをもたらしますが、適切な知識と早めの行動によって、選択肢を確保し、被害を最小限に抑えることが可能です。

その対策の一つが「任意売却」です。

競売のような強制的な処分とは異なり、自分の意思で進められるため、多くの方に選ばれています。
今、生活再建のための柔軟な手段として注目されている方法です。

何より大切なのは、一人で抱え込まないこと。
滞納が始まった段階、あるいは今後の支払いに不安を感じている時点で、状況を正しく把握し、冷静に判断して専門家のサポートを受けながら行動することが、後悔しないための第一歩です。

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