競売にはどのようなリスクがある?競売のメリットとデメリットを知って対策を!

新型コロナウイルスによる影響もあり、住宅ローンの支払いが厳しくなっている方が増えています。
住宅ローンの支払いができなくなり滞納が続くと、金融機関は住宅ローンの担保としている住宅を競売にかける手続きを始めます。自宅が競売になってしまうと、一体どのようなリスクが生じるでしょうか。

今回は、競売のメリットとデメリットについての確認と、競売を回避するための対策などについて説明します。

目次

競売のメリット

まず、競売にはどのようなメリットがあるのか確認しましょう。

何もしなくていい

競売のメリットとして一番に挙げられるのは「当の本人は何もしなくていい」ということです。
果たしてこれがメリットと言えるかどうか分かりませんが、ひとまず何もしないで済むのならメリットと言ってもよいでしょう。

競売の場合、裁判所への申立ては債権者(金融機関等)が行います。そして、対象不動産が売却されるまでの手続き(作業)は、すべて裁判所が主導して行っていきます。競売を申立てられた側がすることは何もありません。競売開始が決定すれば自宅が売却されるのを待つだけです。自宅の内見に立ち会う必要もなければ、部屋の掃除や片付けなどを行わなくても特に問題はありません。

競売のデメリット

では反対に、競売にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

相場よりも安価で売却される

競売物件は、通常の物件に比べて安価で売却されることが多いです。
その理由は、

■購入希望者が事前に得られる情報に制限がある
■占有者への対応(引渡し)や室内残置物等の対処は購入者が行う
■契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)が免責となる

などといった、購入リスクが数多く存在するからです。
また、「安価で売却される」ということは、すなわち「債務が多く残る」ということです。できる限り競売は回避するのが望ましいです。

残った債務の返済について協議できない

競売となった場合には、競売後に残った債務については、原則一括で支払わなければなりません。

しかし、競売になっている以上、残った債務の一括返済などできるはずもありません。その他の対策を考えたり、自己破産などの債務整理手続きによって財産の整理を検討する必要も出てくるでしょう。

強制退去の可能性もある

競売では、裁判所による売却許可決定が出された買受人(落札者)が代金を全額支払った時点で、不動産の所有権は買受人に移転します。新所有者から退去を求められれば、それに従って退去しなければなりません。

新所有者が引越し時期などの話し合いに応じてくれるかどうかも分からず、場合によっては新所有者が裁判所に強制執行手続きの申立てを行い、強制退去させられるケースもあります。

立ち退き費用はもらえない

競売では、立ち退き費用(引越し費用)は貰えません。
退去・引越しにかかる費用は、全額自分で用意しなければなりません。

競売になった情報が公開される

競売の開始決定がなされると、自宅や所有者の情報が新聞やインターネットなどを通して広く世間に公開されます。

精神的負担が大きくかかる

競売で自宅を失うとなると、それだけでも大きなストレスを抱えることになります。
さらに、競売情報が公開されると、情報を見た競売業者や不動産業者などが頻繁に自宅に訪問してきたり、近隣に話を聞いて回ったりするケースも出てきます。競売になったことが周囲に知られることにも繋がり、精神的負担がさらに増すことにもなりかねません。

どうしたら競売を回避できるのか

では、競売を回避するには、どのような対策があるでしょうか。置かれている状況別に確認をしていきましょう。

まだ競売を申立てられていない場合

まだ競売申立て前の状況であれば、申立てされる前にできるだけ早急に借入れをした金融機関に相談しましょう。

支払いが厳しい現在の状況を伝えて、今後の返済方法について担当者と話し合うことで競売を回避できる可能性があります。

すでに競売を申立てられている場合

すでに競売を申立てられてしまっている状況であれば、競売を回避するための方法は次の2つです。

①住宅ローンの残金を一括で返済する
②任意売却

競売を申立てられている時点で、恐らく①での解決は難しいでしょう。
競売を回避したいのであれば、②の検討が必要になります。

自宅が競売になるリスク

自宅が競売になってしまうと、前述した「競売のデメリット」がそのまま「当人のリスク」になるといっても過言ではありません。

競売になってしまう状況を何もせずそのまま放置していれば、自宅は勝手に売却されて強制退去を迫られた挙句、多額の借金が残ったまま成す術なしという状態に陥ります。生活を立て直すのには、かなりの労力が必要になるでしょう。

後々のことを考えると、競売はできるだけ回避すべきといえます。

任意売却で競売を回避する

競売を回避する方法に、任意売却という手続きがあります。
任意売却とは、現在の不動産価格が借入金の残高を下回っていても、債権者の合意を得ることで売却を可能にさせる不動産取引のことをいいます。

任意売却による売却では、競売で売却されるよりも高く、市場相場に近い価格での売却が可能です。競売に比べて残りの債務を減らすことができ、その後の返済計画も立てやすくなります。

また、任意売却では、引越し費用を確保したり、信頼できる第三者へ売却後、賃貸借契約によって賃料を支払いながらそのまま住み続ける「リースバック」という方法もあります。

任意売却は専門家に相談しましょう

任意売却を行うためには、債権者の合意が必要不可欠です。
任意売却による不動産売却は、通常の売却とは異なる手続きも多いため、できるだけスムーズに解決したいのであれば、債権者対応に精通し、
実績のある任意売却専門の会社に相談するのが一番です!

すでに、競売の申立てをされてしまっている場合には、任意売却ができる時間に限りがあります。
できるだけ早めに相談しましょう。

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