住宅ローンの督促状と裁判所の支払督促は何が違う?競売を避けるために知っておきたいこと

住宅ローンの返済が遅れると、金融機関から督促状が届くことがあります。
ここで知っておきたいのが、金融機関などから届く一般的な「督促状」と、裁判所の手続きを通じて発せられる「支払督促」は、異なるものであるということです。

支払督促は法律に定められた手続きであり、対応しないまま期限を過ぎると、財産の差押えなどにつながる可能性があります。ただし、裁判所から支払督促が届いたからといって、直ちに自宅が競売にかけられるわけではありません。

この記事では、住宅ローンの督促状と裁判所の支払督促の違いや法的効力、住宅ローンの滞納が続いた場合に考えられる手続きについて解説します。返済が難しくなっている方に向けて、任意売却を含む解決策も紹介しますので、今後の対応を考える際の参考にしてください。

【執筆】

株式会社いちとり
代表取締役/代表相談員
林 達治

東証一部上場の不動産会社、外資系金融機関、任意売却専門会社での豊富な実務経験を活かし、「住宅ローン滞納・競売相談所」を開設。

代表相談員として、「勇気を出して相談してくださった方に、最後まで寄り添うこと」を信条に、一人ひとりの不安に寄り添い、最適な解決策を提案している。

住宅ローンの滞納や競売に関する専門知識と年間500件以上の相談実績をもとに、全国のご相談者様へのサポートを続けている。

📞住宅ローン滞納、競売申立てにお悩みではありませんか?

電話で無料相談 0120-49-1102LINEで気軽に相談(24時間受付)
(お電話受付時間:平日10時〜18時)

※不動産をお持ちでない方、法律相談のみのお問い合わせには対応しておりません※

目次

一般的な「督促状」と裁判所の「支払督促」の違い

一般的な督促状と裁判所の支払督促は、名称が似ていますが、発行する主体や法的な位置づけが異なります。それぞれの特徴を確認しましょう。

一般的な督促状とは

一般的な督促状とは、住宅ローンや各種借入金などの返済が遅れている場合に、金融機関や債権回収会社などから送付される、支払いを求める通知です。

住宅ローンでは、毎月の返済日に引き落としができなかった場合などに、金融機関から返済の確認や入金を求める連絡として届くことがあります。記載内容は金融機関や滞納状況によって異なりますが、主に次のような項目が記載されています。

  • 支払いが遅れている金額
  • 支払期限や入金を求める期日
  • 振込先や支払方法
  • 問い合わせ先や今後の対応に関する案内

    一般的な督促状は、金融機関などが返済を求めるための通知です。ただし、放置してよいものではありません。
    滞納が続くと、契約内容などに応じて、期限の利益の喪失や保証会社による代位弁済、担保不動産競売の申立てなどに進む可能性があります。

    裁判所の支払督促とは

    支払督促とは、債権者の申立てに基づき、簡易裁判所の裁判所書記官が債務者に支払いを求める法的な手続きです。民事訴訟法に定められた制度で、通常の訴訟とは異なり、原則として債務者の言い分を聞かずに発せられます。

    しかし、支払督促が届いても、この段階では裁判所が通常の訴訟のように請求内容の正当性を審理したわけではありません。請求内容に異議がある場合は、法律で定められた期間内に「督促異議の申立て」を行うことができます。

    支払督促は、通常、裁判所から「特別送達」という方法で送達されます。金融機関から届く一般的な督促状とは手続きが異なるため、差出人や書類の表題を確認し、裁判所からの正式な書類であれば期限を見落とさないようにしましょう。
    請求金額や請求の根拠に疑問がある場合には、書類の内容を確認し、必要に応じて弁護士など専門家へ相談することをおすすめします。

    参考:法務省「督促手続きについて」

    発行主体と法的効力の違い

    一般的な督促状と裁判所の支払督促の主な違いを整理すると、次のとおりです。

    比較項目 一般的な督促状 裁判所の支払督促
    発行主体 金融機関、債権回収会社など 簡易裁判所の裁判所書記官
    目的 滞納している返済などを求める 法律に基づき金銭などの支払いを求める
    法的な位置づけ 支払いを求める通知 民事訴訟法に定められた裁判手続き
    異議申立て 支払督促に対する法定の督促異議とは異なる 法律で定められた期間内に督促異議を申し立てられる
    放置した場合 契約や滞納状況に応じて、次の手続きに進む可能性がある 仮執行宣言や強制執行につながる可能性がある

    このように、両者は同じ「督促」という言葉を使っていても、法的な意味合いが異なります。特に、裁判所の支払督促には期限が定められているため、一般的な督促状と同じ感覚で放置することは避けなければなりません。

    裁判所の支払督促にはどのような法的効力がある?

    裁判所の支払督促は、所定の手続きを経ることで、強制執行につながる効力を持つ場合があります。そのため、支払督促が届いた場合は、書類に記載された期限や内容を確認し、必要な対応を速やかに検討することが重要です。

    ここでは、支払督促が送達された後の流れや、督促異議を申し立てられる期間について解説します。

    支払督促が送達された後の手続き

    支払督促が届いた後の手続きは、主に次のような流れで進みます。

    1.裁判所から支払督促が送達される
    債権者の申立てに基づき、裁判所書記官が支払督促を発し、債務者に送達します。請求内容に異議がある場合、原則として送達を受けた日から2週間以内に督促異議を申し立てることができます。
    2.督促異議の申し立てがなかった場合
    最初の支払督促に対して、債務者から期間内に督促異議の申し立てがなかった場合、債権者は「仮執行宣言」を申し立てることができます。申立てが認められると、仮執行宣言が付された支払督促が債務者に送達されます。
    3.仮執行宣言が付された後の対応
    仮執行宣言が付された支払督促についても、送達を受けた日から2週間以内であれば、督促異議を申し立てることができます。ただし、この段階では強制執行が可能となっているため、必要に応じて強制執行停止の申立ても検討する必要があります。
    4.強制執行に進む可能性がある
    仮執行宣言が付された支払督促に対して、所定の期間内に督促異議が申し立てられず、支払督促が確定した場合には、債権者は強制執行を申し立てることができます。
    強制執行では、法律上の要件を満たす場合、預貯金や給与などの財産が差し押さえられる可能性があります。ただし、支払督促が届いたからといって、必ず強制執行が行われるわけではありません。その後の対応や債権者の判断などによって状況は異なります。

    参考:法務省「督促手続について」

    督促異議の申立て期間

    支払督促で特に注意したいのが、督促異議を申し立てることができる期間です。申立て期間が過ぎると、対応が難しくなる恐れがあるため、裁判所から支払督促が届いたら、まず送達日と期限を確認してください。

    督促異議は、原則として、最初の支払督促の送達を受けた日から2週間以内に申し立てることができます。
    最初の支払督促に対して異議を申し立てなかった場合でも、仮執行宣言が付された支払督促の送達を受けた日から2週間以内であれば、改めて督促異議を申し立てることができます。

    督促異議を申し立てると、原則として通常の訴訟手続きに移行し、裁判所で請求内容などが審理されます。ただし、異議を申し立てても、借金の支払い義務そのものがなくなるわけではありません。請求内容に争いがある場合や、対応方法がわからない場合は、弁護士などの専門家に早めに相談しましょう。

    「仮執行宣言」と「強制執行」の関係

    支払督促の手続きを理解するうえで、知っておきたいのが「仮執行宣言」と「強制執行」です。

    仮執行宣言とは、支払督促に基づく強制執行を可能にするため、一定の要件のもとで付される宣言です。
    最初の支払督促が送達されてから2週間以内に督促異議が申し立てられなかった場合、債権者は仮執行宣言を申し立てることができます。
    仮執行宣言が付された支払督促が送達されると、債権者は法律上の要件に従って強制執行を申し立てることができます。その後も所定の期間内に督促異議が申し立てられなければ、支払督促は確定し、確定判決と同一の効力を有します。

    強制執行とは、債務者が支払義務を果たさない場合などに、法律で定められた手続きによって財産を差し押さえ、債権の回収を図る制度です。預貯金や給与などが差押えの対象となる場合がありますが、対象や範囲は法律上の要件などによって異なります。

    なお、仮執行宣言が付された支払督促が届いた場合、督促異議を申し立てるだけでなく、強制執行を停止するための手続きが必要となることもあります。期限が迫っている場合や、すでに強制執行に関する通知を受けている場合は、速やかに専門家へ相談することをおすすめします。

    参考:法務省「督促手続・少額訴訟Q&A」

    📞悩みは一人で抱え込まずご相談ください。

    電話で無料相談 0120-49-1102LINEで気軽に相談(24時間受付)
    (お電話受付時間:平日10時〜18時)

    ※不動産をお持ちでない方、法律相談のみのお問い合わせには対応しておりません※

    住宅ローンの滞納と裁判所の支払督促はどう関係する?

    住宅ローンの返済が滞ると、金融機関からの督促にとどまらず、状況によっては法的な手続きに進む可能性があります。

    ただし、住宅ローンの滞納から競売に至るまでの流れは一律ではありません。裁判所の支払督促と、住宅ローンを担保とする不動産競売は、それぞれ異なる手続きであることを理解しておきましょう。

    住宅ローンの滞納で想定される法的手続き

    住宅ローンの滞納が続くと、滞納期間や契約内容、金融機関の対応などによって状況が変化します。

    一般的に、返済が遅れると金融機関から入金の確認や督促が行われます。その後も滞納が解消されない場合は契約内容などに応じて、期限の利益の喪失や保証会社による代位弁済に進む可能性があります。

    期限の利益とは、「契約で定められた返済期限までは、借入金を分割して返済できる」という債務者の利益です。一定の条件を満たして期限の利益を失うと、残りの借入金について一括返済を求められることがあります。
    また、保証会社が金融機関に借入金を代位弁済した場合には、保証会社などから返済を求められることがあります。

    住宅ローンでは、購入した自宅や土地に抵当権が設定されているケースが一般的です。返済が行われず、債権者が抵当権を実行する場合には、担保不動産競売の申立てが行われる可能性があります。ただし、手続きの進み方や時期は、契約内容や個別の事情によって異なり、滞納回数だけで一律に判断することはできません。

    大切なのは、法的手続きが進んでから対応するのではなく、返済が難しくなった段階で今後の選択肢を確認しておくことです。すでに滞納している方はもちろん、収入の減少や失業、病気、離婚などの事情によって返済に不安がある方も、早めに対策を検討しましょう。

    支払督促と担保不動産競売の違い

    支払督促と担保不動産競売は、どちらも債権回収に関係する手続きですが、目的や仕組みが異なります。

    支払督促は、債権者の申立てに基づき、金銭などの支払いを求めるための手続きです。所定の要件を満たすと、支払督促に基づいて預貯金や給与などの差押えが可能になることがあります。

    一方、担保不動産競売は、債権者が不動産に設定された抵当権などの担保権を実行し、不動産を売却して債権を回収する手続きです。住宅ローンでは、金融機関などが住宅に設定した抵当権を実行して競売を申し立てることがあり、必ずしも支払督促を経てから競売に至るわけではありません。

    それぞれの違いをまとめると、次のとおりです。

    比較項目 支払督促 担保不動産競売
    主な目的 金銭などの支払いを求める 担保不動産を売却して債権を回収する
    手続きの根拠 民事訴訟法に定められた督促手続き 民事執行法などに基づく担保権の実行手続き
    主な対象 金銭などの支払い義務 抵当権などが設定された不動産
    手続きの結果 要件を満たすと強制執行につながる可能性がある 不動産が売却され、売却代金が債権回収に充てられる

    このように、支払督促と担保不動産競売は、目的も仕組みも異なる手続きです。

    裁判所から支払督促が届いたからといって、直ちに自宅が競売にかけられるわけではありません。
    ただし、住宅ローンの滞納が続いている場合は、支払督促への対応だけでなく、住宅ローンの返済状況や担保不動産に関する手続きにも注意が必要です。

    また、支払督促への対応と、住宅ローンの返済や自宅の売却に関する対応を並行して検討しなければならない場合もあります。現在どのような手続きが進んでいるのかを確認し、必要に応じて弁護士や不動産会社などに相談することが重要です。

    参考:裁判所「担保不動産競売」|裁判所「民事執行」

    住宅ローンの返済が難しい場合は早めに相談を

    住宅ローンの返済が難しくなったとき、「何とか返済を続けたい」「できれば家族に知られずに解決したい」と考え、相談をためらう方もいらっしゃいます。

    しかし、返済が難しい状態を放置すると、選べる解決策が限られる可能性があります。すでに督促状が届いている場合はもちろん、今後の返済に不安を感じている段階から相談することが、早期の生活立て直しにつながります。

    返済状況に応じた解決策を検討する

    住宅ローンの返済が難しい場合、状況に応じて検討できる対処法は異なります。

    たとえば、一時的な収入減少などが原因であれば、金融機関に返済条件の変更を相談できる可能性があります。ただし、返済期間の延長や毎月の返済額の変更などが認められるかどうかは、金融機関の審査や契約内容によって異なります。

    一方、収入の回復が見込めず、今後も返済を続けることが難しい場合は、自宅の売却も含めて今後の生活を考える必要があるかもしれません。また、住宅ローン以外にも借入れがある場合は、家計全体の収支や債務の状況を確認し、必要に応じて弁護士などへ債務整理について相談することも選択肢のひとつです。

    どの方法が適しているかは、滞納の状況や住宅ローンの残高、自宅の査定価格、収入、生活費などによって変わります。まずは現在の状況を整理し、無理なく実行できる解決策を検討しましょう。

    任意売却を含む選択肢を視野に入れる

    自宅の売却を検討している場合は、「任意売却」も選択肢のひとつになります。任意売却とは、債権者の同意を得たうえで、抵当権などが設定された不動産を売却する方法です。

    住宅ローンの残高が自宅の売却価格を上回っている場合、通常の売却では売却代金でローンを完済できず、売却ができないことがあります。しかし、任意売却では、債権者と調整しながら抵当権抹消や売却手続きを進めていくことが可能です。

    任意売却を検討する主なメリットとして、次のような点が挙げられます。

    • 競売以外の方法で自宅を売却できる可能性がある
    • 市場での売却を目指し、売却条件について債権者と相談できる可能性がある
    • 競売に進む前に、今後の住まいや生活再建について検討できる可能性がある

    ただし、任意売却にも注意点があります。

    まず、任意売却を行うには、債権者の同意など、所定の条件を満たす必要があります。また、売却しても住宅ローンを完済できなければ、残った債務の返済義務は原則としてなくなりません。

    さらに、競売の手続きが進んでいる場合は、任意売却を進められる時間が限られることもあります。すべてのケースで任意売却が成立するわけではなく、競売を必ず回避できる保証もありません。そのため、住宅ローンの返済が難しいと感じた段階で、任意売却が可能かどうか、早めに専門家へ相談することが重要です。

    住宅ローンの返済や競売に不安がある方はご相談ください

    • この先も、住宅ローンの返済が厳しい状況が続きそう
    • 金融機関から督促状が届き、今後どうなるのか不安
    • 裁判所から通知が届いたが、何をすればよいかわからない
    • 競売になる前に、自宅を売却する方法を知りたい

    このようなお悩みを抱えている方は、一人で悩まず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。相談や対応を始める時期、現在の手続きの進行状況によって、検討できる選択肢が変わることがあります。

    まずは、金融機関から督促状が届いている段階なのか、期限の利益を喪失しているのか、保証会社による代位弁済が行われたのか、すでに競売の申立てが行われているのかなど、現在の状況を把握することが大切です。

    「住宅ローン滞納・競売相談所」では、住宅ローンの返済や自宅の売却に関するお悩みについて、任意売却を含めた解決策を検討するためのご相談を承っております。
    返済状況や不動産の条件によっては、任意売却以外の方法が適している場合もあります。現在の状況を確認しながら、どのような対応が考えられるのか、一緒に整理していきましょう。

    住宅ローンの返済に不安を感じている方や、競売を避けるために何ができるのか知りたい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。早めに状況を把握し、選択肢を確認することが、これからの生活を整える第一歩になります。

    📞 電話・LINEでのご相談が早くておすすめです。

    現在のご状況やお悩みをお伺いして、どのような方法が選択できるか一緒に整理いたします。
    どうするかまだ決めていなくても大丈夫。早めのご相談ほど、解決への選択肢が広がります。

    電話で無料相談 0120-49-1102 LINEで気軽に相談(24時間受付)

    (お電話受付時間:平日10時〜18時)

    ※不動産をお持ちでない方、法律相談のみのお問い合わせには対応しておりません※

    ⚠️本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律問題に対する法的助言を行うものではありません。裁判所から支払督促などの通知が届いた場合は、記載された期限を必ず確認してください。対応方法に迷う場合や、支払督促・強制執行などの法律上の問題について相談されたい場合は、必要に応じて弁護士などの専門家へご相談ください。

    目次
    閉じる