「一般的な物件(流通不動産)」と「競売不動産」の購入における相違点
同じ不動産でも、世間一般に流通している不動産を購入する場合と、競売になってしまった不動産を購入する場合では、いくつかの違いがあります。
一言でいうと、一般的な物件(以下、「流通不動産」といいます)を購入する場合は、通常の不動産売買ですが、競売不動産を購入する場合は、不動産売買ではなく、裁判所が主宰する特殊な売却手続きへの参加という形になります。
そこで今回は、「不動産の購入」という視点から、「流通不動産」を購入する場合と「競売不動産」を購入する場合の違いについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
不動産の購入にあたって何が違うの?
「流通不動産」を購入する場合
流通不動産は、民法の売買契約に基づいて市場で取引されるものであり、不動産業者(宅地建物取引業者)を介して購入するのが一般的です。
不動産業者を通じて流通不動産を購入する場合、間に入る不動産業者には宅建業法などの法律により免許制度がとられています。また、契約に際しては、契約上の重要事項説明義務(契約を締結する前に不動産にかかる重要な事項を説明すること)や、瑕疵担保責任(購入した後に見つかった不備・欠陥・問題点などに対して売主側が修理・改善等の責任を負うこと)の強化など、購入者の保護も図られています。
「競売不動産」を購入する場合
競売不動産の購入を希望する場合は、不動産業者を介した売買契約ではなく、裁判所が行う競売手続きに参加することになります。しかし、裁判所は単に手続きを主宰するだけであり、物件に関しては一切の責任を負いません。また、競売不動産の場合は、購入者を特別に保護する法律もありません。
競売への参加は、債務者を除いて原則的には誰でも参加することができますが、専門的な知識が必要となる部分も多く、一般の人が参加するときには注意が必要です。
つまり、「民法上の瑕疵担保責任の適用がない」ことや「賃借人等の占有者・不法占拠者(居住者に限らず)が存在する」、「物件内部を見てから買うことができない」などのリスクがあるからこそ、競売不動産は市場価格より安い価格(7割~8割前後)で取得できるという点がメリットとして大きな魅力となっている部分がありますが、価格が安い分、物件に関する責任は全て自分で負わなければいけないというデメリットもあります。
まとめ
さて、「流通不動産」と「競売不動産」。
同じ不動産の売買ではありますが、それを取り巻く制度などが全く異なるということがお分かりになったかと思います。
それでは、最後にその相違点をまとめてみます。
< 流通不動産の場合 >
■ 関連する手続規定 ・・・・・ 宅建業法
■ 購入する際の窓口 ・・・・・ 宅建業者(不動産会社)
■ 消費者保護の規定 ・・・・・ あり(宅建業法)
■ 仲介責任について ・・・・・ あり
■ 瑕疵担保責任有無 ・・・・・ あり
■ 物件調査について ・・・・・ 宅建業者が行う
■ 物件内覧について ・・・・・ できる
< 競売不動産の場合 >
■ 関連する手続規定 ・・・・・ 民事執行法
■ 購入する際の窓口 ・・・・・ 裁判所
■ 消費者保護の規定 ・・・・・ なし
■ 仲介責任について ・・・・・ なし
■ 瑕疵担保責任有無 ・・・・・ なし
■ 物件調査について ・・・・・ 自己責任で行う
■ 物件内覧について ・・・・・ 原則できない(但し、差押債権者が内覧申立てできる制度あり)
ちなみに、「任意売却」による不動産売却の場合は、流通不動産とほぼ同じ方法で売却手続きをいたします。よって、市場相場に近い価格での売却が可能であり、購入希望者側にとっては購入前に物件の内覧をして判断することができます。
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