住宅ローンが払えなくなったら
住宅ローンの返済は、20年・30年と長期に及ぶことが一般的です。
契約時は大丈夫と思って組んだ住宅ローンも、長い返済期間の間には収入が減ったり、支出が増えたりと予期せぬ事態に見舞われて返済が苦しくなる状況に転じる場合もあります。
今年発生した新型コロナウイルスも例外ではありませんし、近年、私たちの生活に甚大な被害をもたらす天災も増加傾向にあるように感じます。日常生活や人生設計が大きく変わってしまった方も少なくないはずです。
しかし、そのような状況下にあっても、住宅ローンは返済していかなければなりません。
では、返済が苦しくなってしまったときに、生活を立て直す手段はあるのでしょうか。
住宅ローンの返済が苦しくなったときにすべきこと
支払いを延滞してしまうと、支払期日の翌日から遅延損害金が発生します。
個人信用機関(世間でブラックリストと言われているもの)に延滞の記録が登録され、さらにその後も延滞が続くようであれば、期限の利益が喪失し、債権者からローン残金の一括返済を請求されることになります。
そのようなことになる前に、まずは金融機関に相談です!
期限の利益
期限が定められていることによって債務者が受ける利益のこと。
住宅ローンにおける期限の利益は「約束した期限が到来するまでは全額返済しなくてもよい」という内容で、この期限の利益があるため分割返済が可能になります。そして、債権者は利益を与えることで見返りとして債務者から利息を受け取ることができます。
しかし、滞納が続くと期限の利益は喪失し、債権者から住宅ローン残金の一括返済を請求されることになります。
金融機関が用意している対処方法
住宅ローンが払えなくなった方に対して、金融機関はいくつかの対処方法を用意しています。
概ね次の2つです。
返済額の減額
返済額の減額とは、一定期間において返済額を減らすという方法です。
月々の返済額が少なくなるので、返済が苦しい状況にあっては有難い内容となります。
しかし、減額期間が終了すれば、減額期間前より返済額が増えますので、その点は注意が必要です。
返済期間の延長
返済期間の延長とは、毎月の返済額を減額して、返済期間を延長するという方法です。
毎月の返済額が減るのは一見有難いように感じますが、返済期間が長くなれば、その分、利息の負担も増えます。
返済の総額が増えると理解しておいてください。
完済時期が老後に及ぶことになった場合にもちゃんと返済できるか考え、不安であれば「返済期間の延長」を選択することは避けた方が無難です。
その他の解決方法
期限の利益が喪失し、ローン残金を一括返済できない場合には、債権者は競売申立を行って競売手続きをスタートさせます。
競売になれば、マイホームを失うことになり、住宅ローンが残ればその返済はその後も続いていくことになります。
少しでもローン残金を減らしたいのであれば、任意売却という方法で競売を回避し、新生活の立て直しを図る解決方法もありますので、任意売却を検討してみるのも良いでしょう。
任意売却は、金融機関も勧める不動産売却の有効な手段のひとつです。
状況に応じて解決の方法も様々ありますので、相談は任意売却業務の経験が豊富にある専門の会社にされることをお勧めいたします。