地面師という闇の詐欺集団!他人の土地を売り飛ばす悪辣な手口とは?
地面師とは、他人の土地を自分の所有物として売却し、代金を掠め取る犯罪者です。
積水ハウス事件は記憶に新しく、その手口が世間に広く知られるところとなりました。
自治体においても本人確認を積極的に行う所はありますが、まだまだ完全に普及しているわけでもありません。
それで、地面師という詐欺集団が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)※1 する余地がいくらでもあるというのが、昨今の日本社会の現状だと言えます。
(※1)跳梁跋扈
悪人など好ましくない者が、我が物顔にのさばりはびこること。(大辞林第三版解説より)
積水ハウス事件とは?
衝撃的な積水ハウス事件は、未だ記憶に鮮明に残っています。
70億円もの土地取引において、金額もさることながら、日本のビッグ3に入る大手住宅メーカーの積水ハウスが、こんなにも簡単に地面師という詐欺集団に騙されたことが驚天動地でした。
2018年12月19日に、主犯格のカミンスカス操 容疑者がフィリピンで拘束されて、一応事件は収束したようです。
それより前に警視庁は、なりすまし役の羽毛田正美ら8人を11月16日に逮捕しています。
この事件で標的となったのは、長年、空家同然だった老舗旅館「海喜館」です。
山手線沿線という立地の良さから、周辺の不動産会社などの垂涎の的(すいぜんのまと)※2 だった不動産です。
詐欺集団である地面師たちが、見逃すはずのない格好の獲物だったと推察されます。
(※2)垂涎の的
何としてでも手に入れたいと思うほどの貴重なもの。(大辞林第三版解説より)
暗躍する地面師たち
近年の少子高齢化などによって、土地家屋を相続しても相続人が遠く離れた場所に生活圏があるケースも多く、そのため放置され、空家同然になっている不動産は年々増えてきています。
つまり、地面師が狙う更地や空き家、抵当権無しという不動産の条件に合致するものも多数存在し、さらに、登記上の所有者が高齢か亡くなっていたりすると、地面師にとっては格好の獲物となるわけです。
今や地面師は、全国どこにいてもおかしくないという現状が、日本には厳然と存在しています。
地面師の詐欺を防ぐのは絶望的か?
昨今の日本の現状は、地面師にとって非常に有利になってきています。
まさに、地面師が暗躍するのに適した社会状況になりつつあります。
例えば、デジタル技術の発達によって、様々な書面の偽造がしやすくなっています。
実印でさえ、3Dプリンタで作成できるのです。
そうなると、地面師の詐欺を防ぐことは絶望的なのでしょうか。
まず、基本的な情報には最新の注意を払うことが必要不可欠です。
すなわち、住所・氏名・生年月日に相違はないか、書類に透かしがあるか、コピーに複写の文字が浮き出るかなどです。
また、怪し気な所がないか、所有者本人に会えず、代理人が現れるなども考慮しなければならない点かもしれません。
最後に
積水ハウス事件は、対応の杜撰(ずさん)さも話題になりました。
それは、地主役の干支や誕生日の確認を正確にとらなかったことです。
また、権利証の確認もしっかりとしないまま全額支払ってしまいました。
地面師は、狡猾で巧みに買い手の弱みを上手くつかみ、積水ハウス側に「いい土地を早く押さえたい」と思いこませ、まるで暗示にかけたような術を行使しています。
今後も地面師は、私たちの身近でも暗躍する可能性がありますので、他人事だと思わず、誰でも事件に巻き込まれる可能性があると認識し、注意しなければなりません。
不動産取引の現場で万が一、様子がおかしいと感じたときは、一度、いちとりまでご相談ください。第三者の立場からアドバイス等させていただきます。
【関連ブログ】 不動産詐欺のプロ!地面師(グループ)の手口と見分け方
いちとりは、「任意売却」を専門に扱う不動産会社です。
任意売却のご相談は勿論のこと、不動産に関わることであれば、どのような問題のご相談も承ります。
お困りのことやお悩みのある方は、相談に費用は一切かかりませんので、いちとりまでお問い合わせください。
フリーダイヤル:0120-49-1102(携帯・PHSからも通話料無料)
メールでのお問い合わせは → こちら