任意売却で売却の決定権を持つキーパーソンは誰か!?

 

物事の決定権を持つ人のことを一般的に決定権者(けっていけんじゃ)といいます。つまり、キーパーソンのことです。
プライベートな環境の中においても、オフィシャルな環境の中においても、必ず決定権者は存在するものです。

ご主人、奥様、お子様、社長、部長、課長・・・など、世の中にはその時々の状況に応じて様々な立場の人が存在しますが、実は、必ずしもその場のトップが決定権者であるとは限りません。
会社の代表は社長だが、プロジェクト進行の許可を出すのは営業部長である、などという話は日常的に当たり前のようによくある話です。

さて、話は「任意売却」に移ります。
もちろん、任意売却においても決定権者は存在します。では、任意売却における決定権者とは一体誰なのでしょうか。

本記事では、任意売却手続きにおいて最重要キーパーソンとなる「決定権者」について説明いたします。

【執筆】

株式会社いちとり
代表取締役/代表相談員

林 達治

東証一部上場不動産会社、外資系金融機関、任意売却専門会社を経て、日本全国の不動産を対象とした任意売却を専門に扱う株式会社いちとりを設立。

勇気を出して相談してくださったご相談者様に最後まで寄り添ってサポートすることを信条に、現在も会社代表を務めながら代表相談員として、住宅ローンの悩みを抱える方々の問題解決のために精力的に活動している。

長年培ってきた任意売却に関する豊富な知識と経験を活かして、個人・法人問わず、年間500件以上の相談を受けており信頼も篤い。

目次

任意売却における決定権者は誰か

任意売却手続きにおいて、決定権者は最も重要なポジションに位置する人です。この決定権者の判断によって、任意売却の成否が決まるといっても過言ではないからです。

さて、それでは任意売却における決定権者とは誰なのでしょう?

それはズバリ!「債権者」です。

売主でも買主でも、任意売却を扱う不動産会社でもありません。そして、任意売却における債権者は、任意売却をすることとなった“原因”によって異なります。

任意売却における債権者

住宅ローンの場合

  • 借入れをしている金融機関

  • 債務の保証をした保証会社

マンション管理費などの場合

  • 管理会社
  • 管理組合

各種税金、健康保険料などの場合

  • 税務署
  • 役所

任意売却手続きを進めていくにあたって、最重要キーパーソンが債権者になるということをお伝えしましたが、悩ましいことに債権者は一人とは限らないケースも多々あります。
例えば、住宅ローンと税金のどちらも滞納しているような場合では、金融機関と税務署(あるいは役所)のどちらもが債権者となり、この両者が共に応諾しなければ任意売却ができないというわけです。

任意売却をすることにOKと許可を出したり、NGと拒否したりすることは勿論のこと、債務者(任意売却をする人)に引越し費用を渡すか渡さないかといった判断も、全てはこの「債権者」つまりは「決定権者」が決めるのです。

任意売却を行う上で重要なポイント

前述の内容からも分かるように、任意売却を行う上で一番重要なポイントは、限られた時間の中で全ての決定権者と話し合いを行い、その全員から任意売却の応諾をとり、且つ、様々な条件を調整出来るか出来ないかという一点に絞られます。任意売却に関する知識と経験、そして何より実績がものをいう作業であることは言うまでもありません。

任意売却の依頼先を検討するにあたって、当社が任意売却を専門に扱う不動産会社をお勧めする理由はそこにあります。知識・経験・実績の量が一般の不動産会社とは大きく違うからです。

 

 

また、債務者にとっては、依頼先によってその結果が大きく変わってくるのも事実です。任意売却に不慣れな会社に依頼して作業に手間取り、最終的に時間切れで競売になってしまうということだけはどうか回避してください。

 

突然の電話や訪問して来る不動産業者には要注意!

競売を申立てられると、その情報が裁判所での掲示やインターネットなどにより世間に公開されます。申立てられる前の場合でも、返済や支払いを滞納した時点で、個人信用情報に金融事故として情報が登録されます。(いわゆるブラックリストに載るということです)

すると、このような情報を素早く察知して、接近してくる人や業者が現れるケースもあります。突然、自宅に訪ねてきた人に「うちに依頼していただければ、引越し費用を100万円は出せますよ」と言われたという話を、当社に相談に来られたご相談者様から伺ったこともあります。

引越し費用を出すのか、出さないのか、費用を出すとしたらその金額はいくらなのか、それらを決めるのは誰なのかということを改めて思い出してください。

そうです。決めるのは全て、”決定権者である債権者”です。
決定権者の応諾無しに、引越し費用を出すなどと言ってくるのは、何か裏がある要注意業者に他なりません。そのように近寄ってくる業者には十分ご注意ください!

任意売却の相談・依頼はお早めに

任意売却は、通常の不動産売却とは少々異なる流れで手続きが進んでいきます。通常の不動産売却の場合には、売却の依頼を受けた不動産会社はすぐに購入者探しに入ります。

しかし、任意売却の場合は先にも述べたように、購入者を探す前に決定権者との話し合いが必要になります。まずそこで、任意売却の応諾を得ることと売却価格の調整をしなければなりません。(売却価格も債権者の判断となります)

そして、既に競売を申立てられている方の場合には、入札日というタイムリミットが設定されてしまいますので、調整作業はさらに厳しいスケジュール下に置かれてきます。そのためにも、任意売却の相談や依頼は、できるだけ早めにされることをお勧めします。手続きをするために残された時間が多ければ多いほど、問題解決に向けての選択肢は広がります!

 

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